出演依頼を受けた時どう思いましたか?

第一に女性を主人公にした長編時代劇がある点に大きな魅力を感じました。女性が馬上で弓を射るという、ざん新な設定にも惹かれました。これまでの時代劇にはあまりなかったことです。女性による本格的なアクションを見てもらえると思いました。“年を取る前に一度は挑戦しなければ”そう思って喜んで出演を決めました。

では出演を決めたのも同じ理由からですか?

今言った点も魅力的でしたが、この時代の高麗を描いたドラマがなかったんです。しかも千秋太后という人物は歴史上の記録には否定的に書き記されています。それを現代的な視点で見直し、儒学派の手による記録から離れてみようと。当時の高麗の情勢を考えれば、彼女を悪女とはいえないという観点から、千秋太后が再評価される作品にしよう、そんな思いから生まれた作品なので出演を決めました。

千秋太后について監督はどんな説明を?

あらすじをもらった時、興奮した様子で“現代風のアクション物だ”と“記録どおりの人物だと決めつけずに、肉づけして新しく作るんだ”と言っていました。天使の顔や母の顔を持つと同時に、男性を愛する女としての顔、政治家の顔など、さまざまな顔を持つ魅力的な人物だと説明されました。歴史上の記録では“妖婦だ”とか、“不義の子を宿した”などと否定的に記されています。そんな千秋太后像を見直し、現代に生きる女性たちにとっての生き方のモデルになるように描かれたんです。現代女性と似た点が多いんですよね。千秋太后が生きた高麗時代は女性と男性が平等だったんです。それで、いったん歴史上の記録から離れ、肯定的な側面から描かれた作品です。

役作りのために我慢したことはありますか? 髪を切れなかったとか、食事制限とか…。

そうですね、普段から…武術の訓練で習ったんですが、相手とタイミングを合わせるんですね。動きを忘れないように練習していました。普段から手首を回したり、動作を思い浮かべたり、武術家になろうと努力しましたね。

今後も時代劇に出たいですか。

「千秋太后」の撮影で10ヶ月ほど苦労したので、正直しばらくは現代劇のほうがいいですね。歴史的に意味のある人物やフュージョン時代劇など、いい作品があれば時代劇もやりたいと思います。

「千秋太后」についておききします。最も印象的なシーンは?

乗馬の特訓の成果が最大限に表れた、8話の最後で出てくる馬上で弓を射るシーンですね。この場面のために特訓したと言えるほどです。超高速カメラで撮影したのですが、いい仕上がりだと思います。

撮影で最も苦労した点は?

遠方まで行って、さまざまなアクションをこなしながら、演技をするという点が肉体的に大変でしたね。

皇后や母親、政治家、恋に生きる女などさまざまな顔を持っていますが、演じるにあたって苦労されましたか?

時代劇での苦労といえば、衣装をつけるまでの準備に時間がかかることです。そのほかにも細かなことで苦労が多かったですね。中でも異なった関係性を演じ分けるのが大変でした。息子やキム・チヤンとの関係、兄との関係などそれぞれが異なっていて、状況に応じて別人のようになるんです。それを演じ分けることにとても苦労しました。

歴史上は“悪女”と記録されていますが、劇中では愛を捨て国を守る女性として登場します。この違いをどう分析しますか?またどのように役に臨みましたか?

歴史上の記録どおりに描かれたドラマだったら、視聴者の反応はどうだっただろうか。よくそう想像するんですよね。私も制作スタッフも儒学者たちのために書かれた歴史の記録を、再分析すべきだと考えました。偏った評価をうのみにするのはやめて、新しい女性像を提示したかったんです。一種の使命感と言ったらいいのでしょうか。そんな思いで役に臨みました。

「千秋太后」の見どころはどこですか?

ほかのキャラクターとのセリフのやり取りなどは、興味深く見ていただけると思います。大規模な戦闘シーンも見どころです。1話と2話に出てくる契丹との戦闘シーンは、中盤になってから再び登場するんですが、多くの人員を投入し苦労したシーンですね。また私のアクションシーンもじっくり見てほしいです。

「海神」のジャミ夫人と千秋太后では、どちらがご本人に近いですか?演じていて楽しかったほうは?

私自身に近いのは、いろいろ思い悩むことが多い点では千秋太后のほうが近いかもしれませんね。また一方で、外見的な美を追求したジャミ夫人という役は、役者という仕事に相通ずるものがあるでしょう。演じていて楽しかったのはジャミ夫人です。